集団登校や給食当番など日本特有の学校の仕組みに戸惑いがちな日系ブラジル人親子らのため、ブラジルの人気漫画「モニカと仲間たち」のキャラクターが案内役となって日本の小学校を紹介するポルトガル語の絵本を、作者のマウリシオ・デ・ソウザさん(82)のプロダクションが作製した。滋賀県湖南市をはじめブラジル人の多い公立小学校への無償配布が始まっている。<大澤重人>

日本で暮らすブラジル人の子供たちは、言葉の壁に加え、日本の学校や文化に不慣れなため、いじめの対象になったり、不登校になったりすることもある。マウリシオさんはブラジルの国民的な漫画家で、何度も来日したこともある親日家。現状に胸を痛め、交流のある湖南市立日枝(ひえ)中の日本語教室担当、青木義道教諭(38)らの助言を受け完成させた。
「モニカ&フレンズ 日本の小学校へ行く」と題され、主人公モニカとおなじみの仲間の計4人が来日して通学する設定。「日本の学校ではピアスは使ってはいけない」と注意するほか、スクールバスではなく集団登校・上履きを使う・児童が教室を掃除する — などブラジルとは異なる点が描かれている。不安に思う児童には「お友達に助けてもらえば大丈夫」などと励ます。
先月、小中学校への編入学前に子供たちが通う湖南市の日本語初期指導教室「さくら教室」に20部を寄贈。中学2年のオカモトセイジさんは「文化の違いがよく分かる」と目を輝かせ、望月幸夫室長(64)は「ストーリーがあって読みやすい。欠席する時は連絡をするよう促すなど細かく丁寧だ」と歓迎した。
法務省の統計によると、在留ブラジル人は2007年の約31万人をピークに減少していたが、同国の景気低迷で再び上昇傾向にあり、昨年末現在で約18万人となった。このうち4万人弱が18歳以下で、学校案内の必要性は高まっている。
2000部発行。縦21センチ、横16センチでフルカラー34ページ。プロダクションは「将来的にはブラジルの日本総領事館で配布できれば」と話している。