ブラジルの国民的漫画家、マウリシオ・デソウザさん(82)が、日本での学校生活を描いた自作の絵本「モニカ、日本の学校へ行く」を湖南市教育委員会に贈った。ブラジル出身の子どもたちに、日本の学校に早くなじんでもらいたいとの願いが込められている。
この日は「マウリシオ・デ・ソウザプロダクションズ・ジャパン(マウリシオ・プロダクション)」のスタッフ、佐々木綾さんらが市教委を訪問。谷口茂雄教育長に日本語版とポルトガル版の絵本計120冊を手渡した。市内の小中学校に配布されるという。
市内には今年2月1日現在、2625人の外国人が住んでおり、ブラジル人が約半数を占める。市内の小中学校にはブラジル人を含め、外国人の児童生徒が約190人通っている。
「モニカと仲間たち」が代表作のデソウザさんは、ブラジルで著名な漫画家。「ブラジル人の子どもたちが日本の学校に早くなじめるように」と、主人公モニカを登場させた絵本「モニカ、日本の学校へ行く」をポルトガル語版で作成。全国の学校に寄贈し、市教委にも昨年、プレゼントしている。
今年2月には日本語版を新たに作成。第2版として、ポルトガル語版と日本語版を計4千部つくった。これを受け、デソウザさんと交流のあった市内の教諭らが協力し、今回の寄贈が実現した。
第2版は縦21・5センチ、横16センチ、34ページで全編カラー。モニカや仲間たちが日本の学校へ通う様子が描かれ、授業に必要な道具やあいさつの仕方、朝礼や掃除の様子などが説明されている。佐々木さんは「先生が日本語版を、(ブラジル人の)生徒らがポルトガル語版を見ながら勉強できる」という。
マウリシオ・プロダクションでは英語版とスペイン語版を作成中。問い合わせは佐々木さん(090・2598・0613)へ。(仲大道)