日系ブラジル人親子向け絵本 浜松国際交流協が企画

ブラジルの国民的人気漫画家マウリシオ・デ・ソウザさん(83)=ブラジル・サンパウロ在住=の日本プロダクションは、就学前の日系ブラジル人の幼児やその保護者が、日本での小学校生活に向けて学ぶ絵本「モニカ 日本で就学するまでの準備」を制作した。浜松国際交流協会(浜松市)が企画した。日系ブラジル人が多く住む地域の託児所や保育園などに寄贈する。

絵本はフルカラー三十一ページ。ポルトガル語版二千八百部、日本語版千二百部を印刷した。マウリシオさんがイラストを描き、代表作「モニカ&フレンズ」の主人公らが登場。一~六歳児の発達の目安や、日本の就学前の子どもが学ぶ服の着替え方、食事の仕方を紹介。「電車や地下鉄の中では騒がない」などのマナーも伝え、小学校生活になじめるようにしている。

浜松市内には外国籍の住民が多いが、日系ブラジル人が運営する託児所などでは、保育士などの専門職員がおらず、就学前に自立した生活習慣やマナーを身に付けられない例がみられるという。同協会は、保護者への情報提供や支援が必要だと判断。日本の小学校生活を紹介する絵本などを作っていた同プロダクションに、就学前に学ぶ新たな絵本作りを依頼した。

印刷には、財団法人「自治体国際化協会」の助成金や、日系ブラジル人が経営する企業の協賛金を活用した。同協会のキクヤマ・リサさん(43)は「日本の幼児教育について外国籍の保護者が知ることで、子どもたちが日本社会に対するカルチャーショックを受けずに、学校に行けるのではないか」と期待する。

(浅井弘美)

引用「中日新聞」