ブラジル人ら外国籍生徒の多い滋賀県湖南市立日枝(ひえ)中学校の青木義道教諭(40)が、ブラジルの国民的漫画家、マウリシオ・デ・ソウザさん(83)の協力を受け、全ての漢字にふりがなを入れた「自信がつく英語ドリル」を完成させた。マウリシオさんの代表作「モニカと仲間たち」のキャラクターが各ページに登場し、学習意欲をかき立ててくれる。
英語科教員の青木教諭が2013年以来、基礎力を養うために手書きで作ったプリントをもとに、中学3年間で習う文法事項を100枚のドリルにまとめた。アルファベットに始まり、疑問詞▽動名詞▽受け身形▽関係代名詞――など広範囲ながら、比較的取り組みやすい問題を並べている。
英語はポルトガル語やスペイン語などと文法や語順が似ており、外国籍の生徒にとって身につく可能性が高い。ふりがなで漢字を読みやすくすることで、外国籍生徒の最大の難関である高校入試に向け「英語を得点源にしてほしい」という青木教諭の願いが込められている。
現在は日本語教室を担当する青木教諭は、ブラジル人生徒に問題文を読んでもらい、それをポルトガル語に訳させてからドリルに取り組ませている。自習用にも使い始めており、日系ブラジル人で2年の楠本サラさん(14)は「親しんだキャラクターが登場し、教科書より楽しんでやれる。問題文を読むことで日本語の勉強にもなる」と笑みを見せた。
マウリシオさんのプロダクションが1000部を発行。非売品で、全国の学校を中心に寄贈する。A4判、114ページのフルカラー。問い合わせは、プロダクション(info@mspjapan.co.jp)
【大澤重人】
引用「毎日新聞」